マインドフル・ハートフル・カインドフル: 幸福への道のりへ ポジティブ心理カウンセラー協会のコンセプト

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すべての人がマインドフル・ハートフル・カインドフルへ 幸福への道のり

ポジティブ心理カウンセラー協会のコンセプトは、単なる理論ではなく、人間の心の成長プロセスを包括的に捉えた実践的な枠組みです。

1. 三つの「フル」の深い意味

マインドフル(Mindful) は、今この瞬間に意識的に気づいている状態です。ネガティブな感情が湧き上がってきたとき、それを否定したり抑圧したりするのではなく、「ああ、今私は不安を感じているのだな」と、批判せずにただ観察する力を指します。この態度は、感情との健全な距離感を生み出し、感情に飲み込まれることを防ぎます。

ハートフル(Heartful) は、心の温かさ、思いやりの質を表しています。特に自分自身への思いやり(セルフ・コンパッション)は、ネガティブな経験を浄化する上で不可欠です。「こんなふうに感じている自分はダメだ」ではなく、「こんなふうに感じるのは人間として自然なことだ。苦しんでいる自分に優しくしよう」という態度が、心の傷を癒します。

カインドフル(Kindfull) は、親切さが満ちている状態です。自分自身だけでなく、他者に対しても温かく接することで、人とのつながりが深まり、それ自体が幸福感の源泉となります。親切な行為は、与える側にも受け取る側にも、双方に幸福をもたらすという相互作用があります。

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2. ネガティブ感情との向き合い方の深化

ネガティブ感情は、排除すべき敵ではなく、私たちに何か大切なことを教えてくれる「メッセンジャー」です。不安は危険を知らせ、悲しみは失ったものの価値を教え、怒りは侵害された境界線を示します。

「安心できる場」の創造は、感情と向き合うための必須条件です。これは物理的な場所だけでなく、心理的な安全性も含みます。信頼できる人との関係、自分を受け入れてくれるコミュニティ、あるいは自分自身の内側に作る「安全基地」かもしれません。この安全な場があってこそ、人は傷つきやすい感情に触れることができるのです。

浄化のプロセスは、単に時間が経過することで起こるのではありません。感情を認め、表現し、意味づけるという能動的な作業を通じて、ネガティブな経験は統合されていきます。涙を流すこと、誰かに話すこと、日記に書くこと、創造的な活動を通じて表現すること—これらすべてが浄化を促進します。

そして重要なのは、浄化された経験が「リソース(資源)」に変わるという視点です。困難を乗り越えた経験は、「自分にはできる」という自己効力感を生み、同じような苦しみを持つ他者への共感と理解を深めます。傷跡は弱さの証ではなく、強さの証となるのです。

3. ポジティブ要素の積み重ね「プラスアルファ」の意義

ネガティブ感情の処理だけでは、幸福の実現には不十分です。心のポジティブな側面を意識的に育てることが必要です。

勇気は、恐れがあっても前に進む力です。これは無謀さではなく、リスクを認識しながらも価値あるものに向かって行動する意志です。小さな勇気の積み重ねが、大きな変化を生み出します。

レジリエンス(回復力) は、困難から立ち直る力だけでなく、逆境を通じて成長する力も含みます。失敗や挫折を「終わり」ではなく「学びの機会」と捉える柔軟性、そして何度でも立ち上がる粘り強さが、レジリエンスの本質です。

幸福感は、段階的に構築されるものです。小さな喜びに気づく練習、感謝の気持ちを育てる習慣、前向きな人間関係への投資—これらの日々の積み重ねが、持続的な幸福感の基盤を作ります。

これらのポジティブ要素は、単独で存在するのではなく、相互に強化し合います。勇気を持って行動することでレジリエンスが育ち、レジリエンスがあるから幸福感を感じやすくなり、幸福感があるからさらに勇気が湧いてくるという好循環が生まれます。

プラスアルファは、自分らしさを見つけ、その一つひとつを丁寧に組み合わせていくことで、自分だけの道を歩めるように支えていきます。
すべての人は、この世界にたった一人しかいない、かけがえのない存在です。その唯一無二の自分を大切にしていくことで、やがて “自分にしかできないこと” に関わっていけるようになります。
同じ資格を取得しても、同じ講座を受講しても、誰一人として同じ道にはなりません。だからこそ、プラスアルファは、その人だけが持つ強みを輝かせることを大切にしています。
あなたがあなたらしく進んでいけるように。世界に一つだけの力を、そっと後押ししていきます。

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4. 希望(HOPE)の構造

希望は、単なる楽観的な願望ではありません。心理学者C.R.スナイダーの希望理論によれば、希望は以下の三つの要素から成り立ちます。

目標(Goals): 明確で意味のある目標を持つこと 経路思考(Pathways): その目標に到達するための具体的な方法を考える能力 主体性(Agency): 「自分にはできる」という信念と、行動を続ける意志

このコンセプトでは、ネガティブ感情の浄化とポジティブ要素の積み重ねを経ることで、この三つの要素がすべて強化され、真の希望が芽生えると示しています。過去の困難を乗り越えた経験が主体性を育て、身につけた勇気とレジリエンスが経路を見出す力を与え、明確な目標に向かう力が生まれるのです。

5. 繁茂(Flourish)とウェルビーイングの状態

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繁茂(Flourish)
という言葉は、植物が豊かに育つように、人間が最大限の可能性を発揮している状態を表します。これは一時的な幸福感ではなく、持続的に成長し続ける動的な状態です。

ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンは、ウェルビーイングを構成する要素として「PERMA」モデルを提唱しました。

  • Positive Emotion(ポジティブ感情): 喜び(Joy)
  • Engagement(没頭): 熱中(Flow)
  • Relationships(関係性): 他者との深いつながり
  • Meaning(意味): 自分より大きな何かに貢献している感覚
  • Achievement(達成): 強み(Strength)を活かした成果

このコンセプトでは、これに楽観(Optimism)が加わり、より包括的な幸福の姿が示されています。

「今を生きる」 という表現は、過去の後悔や未来への不安に囚われることなく、現在の瞬間を十分に味わい、その中にある豊かさに気づくことを意味します。これはマインドフルネスの本質でもあり、すべてのプロセスの起点であると同時に、到達点でもあるのです。

6. 統合的理解:循環と螺旋

このコンセプトの最も深い側面は、これが一方向の直線的なプロセスではないということです。人生は常に変化し、新たなネガティブな経験が訪れます。しかし、一度このプロセスを経験した人は、次により早く、より効果的にネガティブ感情を処理し、ポジティブな状態に戻ることができます。

これは「螺旋階段」のようなものです。同じような課題に直面しても、以前よりも高い視点から、より多くのリソースを持って向き合うことができます。失敗や挫折は終点ではなく、より深い幸福へと至る通過点なのです。

「マインドフル・ハートフル・カインドフル」 という三つの態度は、このすべてのプロセスを貫く基本姿勢であり、ネガティブ感情と向き合うときも、ポジティブ要素を育てるときも、希望を見出すときも、繁茂の状態を維持するときも、常に必要とされる心の在り方なのです。


このコンセプトは、苦しみを否定せず、幸福を夢物語としてではなく、具体的なプロセスとして示すことで、誰もが自分の人生に実践できる道筋を提供しています。それは、「完璧な幸福」ではなく、「不完全さを受け入れながら成長し続ける」という、より人間的で持続可能な幸福の形を描いているのです。

投稿者プロフィール

徳吉陽河
徳吉陽河監修者:一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会 代表理事
徳吉陽河(とくよしようが)は、ポジティブ心理学、ポジティブ心理カウンセラー協会の創設者の一人であり、日本・世界のおけるコーチング心理学のパイオニア。ポジティブ心理療法士、コーチング心理士、公認心理師・キャリアコンサルタント、認定心理士(心理調査)、として教育・医療・福祉・産業分野で活動する専門家。東北大学大学院博士後期課程で研究し、国際コーチング心理学会、国際ポジティブ心理学会など、世界で学び、研究を発表。著書に『ポジティブ大全』『科学的に正しい脳を活かす「問いのコツ」 結果を出す人はどんな質問をしているのか?』『コーチング心理学ガイドブック』『コーチング心理学ハンドブック』などの翻訳書などがあり、科学的なエビデンスと物語(ナラティブ)に基づくコーチングとウェルビーイング教育を推進している。累計4000名のコーチ、カウンセリング実績」(ワークショップを含む)、「累計6000回以上のセミナー実績」以上の実績がある。国土交通省 航空保安大学講師、元東北文化学園大学講師、元仙台医療センター看護学校講師、元若者サポートセンター講師、教育機関、海外・国外の法人企業などで講師を担当実績がある。座右の銘は、「我以外皆我師」、失敗・挫折もたくさんしており、「万事塞翁が馬」大切にしている。「自己肯定感が低いからこそ成長できる」ことを大切にしている。

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