ポジティブ心理学とポジティブシンキングの違い

「ポジティブ心理学」と聴くと、その言葉の意味からネガティブを否定してポジティブシンキングを推奨しているようなニュアンスを与えてしまいます。結論からいうと、ポジティブシンキングとポジティブ心理学は似ているようで全く違います。

ポジティブシンキングがどういうものかを一緒に考えていき、そのあとにポジティブ心理学の立ち位置を明確にしていきたいと思います。

ポジティブシンキングとは?

単なるポジティブシンキングは、その名の通りポジティブに物事を考えることです。

ところで、お友達や先輩に悩みを相談してこんなことを言われたことはないでしょうか?

とりあえず、悩んだって仕方ないんだから、プラス思考になろうよ

同じ言葉で、楽観的やプラス思考というのがありますが、同じです。

根拠もなくとりあえずポジティブになることをよしとする考え方です。

単なるポジティブシンキングだけでは,
ネガティブな出来事への取り組みについては,回避したり,目を当てないことにも繋がる可能性があります。
それは現実的でなことではありません。

 

ポジティブシンキング論者の対応

「会社の人間関係がギクシャクしていて悩んでいます。」
「恋人と会う時間が作れず、このままだと破綻しそうで・・・」
「5年前に会社を辞めてから息子が部屋から出てこないんです」

と、深刻な悩みを抱えていても、ポジティブシンキング論者は、以下のような対応を好みます。

  • 「大丈夫!大丈夫!何とかなるから!それよりも人生は楽しくいこう!」

といって強引に励ますパターン。

更に、

  • 「あなたの人生がうまくいかないのは、物事をネガティブに考えているからです。ポジティブな感情にチェンジをしましょう」

・・・もしも、あなたがこのような対応をとってきた経験があるのなら赤信号です。カウンセラーのお仕事を志している人ならピンとくるかもしれませんが、相手の悩みや心の声に共感をしていないどころか、真っ向から否定しているだけなんです。

では、なぜポジティブシンキングを推奨する人たちが多いのだろうか?その本音を見ていきましょう。

ポジティブ論者の本音

  • ポジティブな人はネガティブになる人の気持ちがわからない
  • 気づかず相手の気持ちを踏みにじっている可能性
  • 本人がネガティブな感情に引きずられることを恐れている
  • ネガティブな感情に対して心理的防衛を張っている可能性すらある

確かに、単にポジティブでいることは素晴らしいのかもしれません。
また、ポジティブでいられるほうが、仕事や人間関係が良好になるのは受け入れてもらえるのかもしれませんが、単なる逃避では,何の問題解決にならず,かえって,うまくいかないネガティブループに陥る可能性が広がります。

ポジティブになりすぎる弊害

単なるポジティブには、いくつか問題があります。

それは不安に関しての感度が弱まることです。

例えば、

  • 後先考えずにお金を発散する
  • 失敗が見えている事業を続ける

など判断を誤りを誘発させる可能性があります。結果、取返しのつかない失敗をして悲惨な人生になることもあります。

戦時中のお話になりますが、

  • 第二次世界大戦時にヒトラーの考えに賛同したドイツ国民
  • 「欲しがりません。勝つまでは」をスローガンに戦争を続けた日本
  • 嘘のメディアで,劣勢にもかかわらず,日本が勝利しているイメージを受け付けるメディア

彼らは、悪い意味でポジティブな対応をしていました。冷静に考えれば、おかしいと気づきながらも、周りに流されてリスクを察知できなくなったと心理学では考えられています。(群集心理学の分野)

ネガティブな感情が大事

話を戻すと、なぜ私たちはネガティブな感情を持つのか?それは、攻めてくる敵に対しての武装や飢餓という不安に備えて生き抜くために必要な感情だからです。不安や怒り、悩みなどは、それを克服するために行動を起こすきっかけにもなります。ネガティブな感情をなくして、私たちは成長しないのです。

ポジティブ心理学とポジティブ心理カウンセリングの立ち位置

詳しくは、講座の中で解説をいたしますが,ポジティブ心理学は私たちのネガティブ感情も大切にしています。ネガティブ感情も役に立てることができると考えます。そのうえで、ポジティブな感情を持ち、ポジティブ感情とネガティブ感情を上手に使い分けることをカウンセリングや他者支援に活用します。

ポジティブ感情とネガティブ感情の構成比は、厳密に分析することは難しいですが,最近有力なのは、ポジティブ感情80%:ネガティブ感情が20%の比率です。ネガティブな感情を一部認めたうえで、ポジティブな感情を取り入れること。そのうえで、ポジティブやネガティブに囚われない、幸福感,希望,可能性を築くために必要な考え方を学ぶのがポジティブ心理学です。

そして,ポジテイブ心理学など,肯定的心理学を活用し,自己支援,他者支援に活用することが,ポジティブ心理カウンセラーの役目となります。

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 勇気,勇気づけなどの心理学に着目し,ポジティブ心理学,アドラー心理学などの視点から,相手を肯定的にカウンセリング,サポートしていくカウンセリング技法を学びます。通常の対話のワークから,ワークシートを活用したワーク,心理テストを活用したワーク,カードゲームを活用したワークを通して,体系的に学びます。

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