ポジティブ心理学とは、私たち一人ひとりの人生や社会の在り方が、正しい方向に向かう状態に注目し、科学的に検証・実証を行う心理学のことです。

ここでは、ウェルビーイング理論やABC理論とはどのようなものなのか、またウェルビーイングを支える5つの柱とその効果についてご紹介します。

ポジティブ心理学から生まれたウェルビーイング(well-being)理論とは

the well-being theory born

ウェルビーイングとは「幸福」を意味し、ポジティブ心理学から誕生した理論です。この場合、肉体的・精神的・社会的といった概念のすべてを指しており、満足した生活・多面的な幸福、そして持続的な幸福といった意味合いで使われています。

持続的な幸福といった言葉からもわかるように、瞬間的な幸福という概念はありません。

ウェルビーイング理論には、大きく分けて3つの種類があります。

医学的ウェルビーイング

心身ともに健康である状態のことです。

フェリシア・ハパートとティモシー・ソーは、精神疾患とは正反対にあるものと位置づけています。

快楽的ウェルビーイング

気分がいい、楽しい状態であることです。

ダニエル・カーネマンの考察では、人間の意思決定は「感情と合理的判断の2つの要素が関係する」「判断は感情に大きく左右される」ということがわかりました。

さらにカーネマンは、「経験における快苦の記憶はピーク時・終了時における快苦の程度で決定される」、というピークエンドの法則を提唱しています。

持続的ウェルビーイング

潜在能力を発揮し、そして人生意義を発見し、いきいきとした状態であることです。特徴となる要素「持続的」「包括的」な幸福の指標で、開花を意味する「フローリシング」と呼ばれることもあります。

ポジティブ心理学でポジティブ感情を向上!ウェルビーイングを支える5つの柱「PERMA」とは

「PERMA」は、それぞれが意味する言葉の頭文字で構成されています。

それぞれの柱が意味する言葉を詳しく見ていきましょう。

P:Positive Emotion(ポジティブ感情)

ポジティブ感情は、愛・喜び・笑い・感謝などの肯定的な感情を指します。

なお、一時的な喜ばしい感覚とは区別して考えられている点が特徴です。

ポジティブ感情は、ネガティブ感情を打ち消すことによって適応能力・回復力が高まり、思考・行動の選択肢が広がることで満足度・幸福度を向上させる要素を生み出す、と考えられています。

E:Engagement(フロー、熱中、没入)

時間を忘れて夢中になる、集中することを指します。スポーツ選手が体感することの多い「ゾーン」のように、物事に夢中になることによって集中力が高まり、仕事の効率や生産性を向上させるという思考です。

R:Relationship(豊かな人間関係・友好的な関係性)

社会的な人間関係は、幸福に大きく関わりがあるものとされています。

友人・パートナー・家族・仲間といった、他者との関わりやつながりが豊かになることで、充実した生活を送ることができるのです。

M:Meaning(人生の意味・意義)

価値観・人生の目的・モチベーションといった、長期的な視点に関することを指す言葉です。

人生を歩んでいく中で、何を大切にすべきか、どんな状態が有意義と感じるのか、何が重要で優先しなければならないのかを明確にすることは、幸福度を向上させるとされています。

A:Accomplishment(達成・マスター)

適切な目標設定ができ、一つ一つ達成して積み上げていくことで幸福感が向上する、という考え方です。

勝利や達成の体験は、ポジティブな感情を生み出す要素であるとされており、価値のある目標を追求する生き方=幸せな生き方であると考えられています。

一般社団法人 ポジティブ心理カウンセラー協会では、ポジティブ心理学を学びたい方、ポジティブ心理学に関わる職業に就きたい方を対象に、その知識や資格が取得できる講座を開催しております。ポジティブ心理学の資格取得をお考えなら、一般社団法人 ポジティブ心理カウンセラー協会が主催する講座へご参加ください。

PERMAによって得られる効果

Effects obtained

PERMAによって得られる効果は数多くあります。

  • 物事に対する対応力の向上
  • 悲観的にならない
  • ストレスの低減
  • 健康維持につながる
  • 思考や行動の選択肢が広がる
  • 集中力の向上
  • 豊かな人間関係の構築
  • 作業効率の向上

PERMAによって様々な出来事をポジティブに捉えられるになり、その結果として人生の幸福度がアップする、という効果が得られます。

自分はあまり幸せではない、自分にはいいことなんて一つもない…という生き方や考え方も、PERMAによって幸福に過ごせる毎日を実感することができるでしょう。

PERMAによって、私たち人間には様々な効果が実感できるのです。

ポジティブ心理学の応用理論!ハピネス・アドバンテージとABC理論について

ポジティブ心理学の応用理論には、「ハピネス・アドバンテージ」と「ABC理論」があります。

ハピネス・アドバンテージ

ハーバード大学でポジティブ心理学講座を担当しているエイカー博士が提唱したのが、ハピネス・アドバンテージ理論です。

この理論は「幸せが先行し、幸せな人が成功する」というもので、実際にあらゆる仕事上の結果が改善されることがわかった、と発表しました。

脳がポジティブになる訓練をすることで脳の回路が書き換えられ、ネガティブなものではなくまずはポジティブなものを見つけようとするパターンが身につきます。その結果、より成功しやすいように脳が働くようになるのです。

ABC理論

ABC理論は、ABCDE理論と呼ばれることもあります。出来事と結果の間に「信念・思考」による解釈が存在しており、その信念で結果が左右される、という理論です。この理論はアルバート・エリス博士が開発しました。

ある出来事に対しての非合理的な信念を合理的な信念に変えることを目的としています。

また、思い込みを変える目的以外に、他人からの批判に対処する場合にも使える心理療法です。

ポジティブ心理学が幸福な生活に導く

ポジティブ心理学は、人間として、また人生を楽しむうえで非常に重要な考え方です。様々な出来事がある中で前を向いて歩んでいけるよう、ポジティブな考え方が背中を押してくれるはずです。

一般社団法人 ポジティブ心理カウンセラー協会では、ポジティブ心理学に関する講座を随時開催しております。毎日の生活を豊かにするためにポジティブ心理学を学びたい方、ポジティブ心理学を活かした職業に就きたい方は、一般社団法人 ポジティブ心理カウンセラー協会までぜひお問い合わせください。

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