ポジティブ心理学を活用したライフクラフティングとは?

ポジティブ心理学 × 人生デザイン

ライフクラフティングとは?
自分らしい人生を自分の手でデザインする

「なんとなく毎日が充実していない」「もっと自分らしく生きたいけれど、どこから始めればいいかわからない」——そんなときのヒントになるのがライフクラフティングです。転職や引っ越しをしなくても、今いる場所で人生の質を高めていく実践的な考え方を、やさしく解説します。

「知っている」から「できる」へ。合言葉は「心に聴く、心に響く、心に効く」。

監修:一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会 | 最終更新日:2026年10月7日

ひとことで言うと

  • ライフクラフティング(Life Crafting)とは、人生を受け身で生きるのではなく、意図的に形づくっていくという考え方です。
  • 仕事の工夫に注目する「ジョブ・クラフティング」を、家族・余暇・価値観など人生全体に広げたものです。
  • ポジティブ心理学のPERMA(ポジティブ感情・没頭・人間関係・意味・達成)を、人生全体でバランスよく育てることをめざします。
  • 主な領域は「仕事」「人間関係」「自己認識」の3つ。今の環境の中で何ができるかを考える点が特徴です。
  • ライフ・マップ、強み発見、3つのよかったこと日記、意味の問いかけ、感謝リストなど、小さなワークから始められます。
  • 当協会の認定資格は民間資格ですが、国際学会の新しい研究や時代のニーズを先取りして講座にし、独自に研究・実践を重ねています。公認心理師・看護師・キャリアコンサルタントなどの国家資格と組み合わせると、相乗効果(シナジー)が生まれます。

ライフクラフティングとは?意味をやさしく解説

ライフクラフティング(Life Crafting)とは、自分の人生を受け身で生きるのではなく、「意図的に形づくっていく」という考え方です。「クラフト」には「職人がていねいに作り上げる」という意味があります。あなた自身が人生の職人として、毎日をデザインするイメージです。

特徴は、「現状を嘆く」のではなく「今の環境の中で何ができるか」を考える点です。転職しなくても、引っ越さなくても、今いる場所で人生の質を高められる——それがライフクラフティングの魅力です。

ジョブ・クラフティングとの違い

比べる点 ライフクラフティング ジョブ・クラフティング
対象 人生全体(仕事・家族・余暇・価値観・強み) 仕事
めざすこと 自分らしい充実した人生をデザインする 仕事の意味ややりがいを高める
工夫の例 家族との関わり方や余暇の使い方を見直す 仕事の進め方や関わる人を工夫する
ライフクラフティング(人生を主体的にデザインする考え方)を説明する図解
ライフクラフティング=自分が人生の職人になって、毎日をデザインする

ライフクラフティングとポジティブ心理学の関係は?

ポジティブ心理学は、1998年にアメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した、「何が人を幸せにするか」を科学的に研究する分野です。病気や問題を治すだけでなく、「普通の人がどうすればより幸福に生きられるか」を探究します。

ライフクラフティングは、ウェルビーイングを支えるPERMAモデルを、人生全体で実現することをめざします。

要素 意味 ライフクラフティングでの実践例
P ポジティブな感情 感謝日記や、好きなことを意識的に増やす
E 没頭・エンゲージメント 強みを活かせる活動を仕事や趣味に組み込む
R 良好な人間関係 意味のあるつながりを意図的に育てる
M 意味・目的 自分の価値観と行動を一致させる
A 達成感 小さな目標設定と達成を積み重ねる

ライフクラフティングは、PERMAをバランスよく育てるための具体的な「地図」と「コンパス」の役割を果たします。

ライフクラフティングの3つの領域とは?

① 仕事のクラフティング

タスクの取り組み方、職場の人との関わり方、仕事の「意味」の捉え方を見直します。

  • 得意なスキルを活かせる仕事の割合を増やす(タスク・クラフティング)
  • 職場の人との雑談や感謝を意識的に増やす(関係のクラフティング)
  • 「この仕事はなぜ社会に必要か」を言葉にする(認知のクラフティング)

② 人間関係のクラフティング

人間関係を「成り行き任せ」にせず、意図的に育てます。

  • 大切な人に定期的に連絡をとる習慣をつくる
  • 感謝を伝える機会を意識的に増やす
  • エネルギーを奪われる関係とは、適度に距離をおく
  • 新しいコミュニティや趣味のサークルに参加する

③ 自己認識のクラフティング

「自分はどんな人間か」「何を大切にしているか」を明確にすることが土台です。ポジティブ心理学では、自分の強みを知り、日常で意識して使うことが重視されます。強みとは「才能があること」ではなく、「使うとエネルギーがわいてくること・自然と没頭できること」。誰にでも必ず強みがあります。

ライフクラフティングの3つの領域ライフクラフティング仕事の工夫人間関係の工夫自己認識の工夫
図:ライフクラフティングの3つの領域
ライフクラフティングの3つの領域(仕事・人間関係・自己認識)を示す図
仕事・人間関係・自己認識の3つの領域で人生をデザインする

今日からできるライフクラフティングのワークは?

  1. ライフ・マップを描く:仕事・家族・健康・趣味・学習・社会貢献など人生の領域を書き出し、それぞれの満足度を10点満点でつけます。比べる相手は「他人」ではなく「理想の自分」。どこをクラフトするかが見えてきます。
  2. 強み発見ワーク:強みの診断などで自分の上位の強みを知り、「今週、その強みをどこで使った?」と振り返ります。
  3. 3つのよかったこと日記:毎晩「今日よかったこと」を3つ書きます。「おいしいコーヒーが飲めた」くらい小さなことで十分です。
  4. 「意味の問いかけ」ワーク:日常のルーティンに「なぜこれをしている?」「誰の役に立っている?」と問いかけ、意味のつながりをたどります。
  5. 人間関係の「感謝リスト」:人生に影響を与えてくれた人を5〜10人書き出し、できれば一人に感謝の手紙を書いて届けます。

始める前に知っておきたいこと:人生は他人と比べなくて大丈夫です。いきなり全部を変えようとせず、まず一つのワークを1週間続けることから。一人で難しいときは、コーチングやカウンセリングで話を聴いてもらうと、より深い気づきが得られることがあります。

ライフクラフティングの実践ワークを紹介する図
小さなワークから、人生のデザインを始める
職場

場面
事務職の社員が、毎日の定型業務に「こなすだけ」の気持ちになり、やりがいを感じられない。
関わり方
1on1で上司が「この業務は、誰のどんな助けになっていると思う?」と問いかけ、本人の得意な「整理する力」を活かせる改善提案を任せる。
期待される変化
仕事の意味と強みの使いどころが見つかり、同じ業務でも主体的に取り組めるようになる。
子育て

場面
子育て中の親が、家事と仕事に追われて「自分の時間がまったくない」と感じている。
関わり方
ライフ・マップで領域ごとの満足度をつけ、「趣味」の点数を1点上げるために、週1回15分だけ好きなことをする時間を家族と相談して確保する。
期待される変化
小さな変化でも「自分で人生を選んでいる」感覚が戻り、家族との時間にも余裕が生まれる。
キャリア支援

場面
定年を数年後に控えた人が、「仕事がなくなったら自分には何も残らない」と不安を感じている。
関わり方
支援者が強みと価値観を一緒に振り返り、「その強みを、仕事以外のどんな場で活かせそうですか?」と地域活動や学び直しの選択肢を広げる質問をする。
期待される変化
仕事だけに頼らない人生の意味が見えてきて、次のキャリアや生き方を前向きに描けるようになる。

研究からわかること(やさしい解説)

ライフクラフティングそのものの研究は比較的新しく、関連するジョブ・クラフティングや強み・感謝の研究から考えられていることも多い分野です。控えめにまとめると、次のとおりです。

取り組み 効果の目安 教訓 現場での活かし方
ジョブ・クラフティング(仕事の工夫) 効果:小〜中 仕事を自分なりに工夫する人ほど、仕事への意欲(エンゲージメント)が高い傾向がある。 1on1で「仕事の中で工夫できそうなところ」を本人と一緒に探す。
強みを知り、活用する取り組み 効果:小〜中 強みは知るだけでなく、意識して使うことで生活の満足感につながりやすい。 週に一度「強みを使えた場面」を振り返る時間をつくる。
感謝の手紙・感謝の記録 効果:小〜中 感謝を表すことは前向きな感情を育てるが、続けることが前提。 感謝リストや手紙を、研修や面談後の宿題として取り入れる。

効果の目安は、これまでの研究をまとめた結果をもとに「小・中・高」の3段階で表しています。効果には個人差があり、すべての人に同じように当てはまるわけではありません。

書き込みワーク:わたしの人生をクラフトする

人生の領域を見渡して、小さく変えられるところを探してみましょう。相手と対話するときは「コーチモード」に切り替えてください。

入力内容はこの端末のブラウザにだけ保存され、外部には送信されません。

人生をデザインする対話を、講座で「できる」に

当協会が大切にしているのは、知るだけでなく「実際に実践できる専門家」を育てること。そして、技法の先にある、人としての関わり方=人間性のスキルを磨くことです。

ライフクラフティングは、一人で考えるだけでなく、誰かに話を聴いてもらい、問いかけてもらうことで深まります。相手の強みや価値観を引き出す質問をし、小さな工夫を一緒に考える——そうした関わり方は練習してはじめて身につきます。ポジティブ心理カウンセラー基本講座では、PERMAや強みの考え方と、それを支える対話を体験的に学びます。

「知っている」を「できる」に講義を聞くだけでなく、ペアやグループで実際に話して練習します。通信教育だけでは身につきにくい「使える力」を育てます。
傾聴+質問・提案・フィードバック心理的安全性を土台に、聴く力に加えて、質問する・提案する・伝える力までをセットで磨きます。
ポジティブ心理学を対話に活かす一般的なカウンセリングではあまり扱わない、強み・ポジティブ感情・希望などを関わりに取り入れます。
仕事と人生にそのまま使える職場の1on1、教育、医療・福祉、子育てなど、日常の場面ですぐ試せる形で学びます。

国際的な知見を、日本の現場に合わせて

当協会は、国際ポジティブ心理学会などで世界の研究と実践を学び続け、その知見を日本の職場・学校・家庭に合うよう調整して届けています(アダプティブ・アプローチ)。海外の資格や手法は、日本人への適応が十分に考えられていないこともあります。当協会は、その人の文化や物語を大切にするナラティヴ・アプローチも重視しています。アダム・グラントの「才能の科学(Hidden Potential)」やエンゲージメントなど、新しい視点からの研究と実践にも取り組んでいます。講座は連携団体の一般社団法人コーチング心理学協会と共催しています。

落とさない・潰さない・あきらめさせない

「すべての人にカウンセリングやコーチングのマインドと技術を」という方針のもと、再受講制度やフォローアップで、途中でつまずいても再挑戦できる仕組みを整えています。

このテーマとつながる講座

日程・料金は各講座の公式ページが最新です。ポジティブ心理カウンセラー協会とコーチング心理学協会の協働認定「認定ポジティブ心理学コーチ&認定ウェルビーイングコーチ(Wライセンス)」もあり、国際的な視点・ポジティブ心理学・実用性を取り入れたい方におすすめです。

参加の流れ

講座を選ぶ講座・イベント一覧から、テーマと日程を確認します。
申し込む各講座ページの申込ボタンから手続きします。
オンラインで参加自宅や職場からZoomで参加。体験・対話中心で学びます。
現場で試す学んだ問いかけや関わり方を、翌日から実践します。
認定・継続認定資格の取得や、関連講座でさらに深めます。

よくある質問(FAQ)

ライフクラフティングとは簡単に言うと何ですか?
自分の人生を受け身で生きるのではなく、仕事・人間関係・自己認識を工夫しながら、意図的に形づくっていく考え方です。
ライフクラフティングとジョブ・クラフティングの違いは?
ジョブ・クラフティングは仕事の工夫に焦点を当てます。ライフクラフティングはそれを人生全体に広げ、家族との関わりや余暇、価値観まで含めてデザインします。
ライフクラフティングとポジティブ心理学の関係は?
ライフクラフティングは、ポジティブ心理学のPERMA(ポジティブ感情・没頭・人間関係・意味・達成)を人生全体でバランスよく育てることをめざします。
ライフクラフティングの3つの領域とは何ですか?
仕事のクラフティング、人間関係のクラフティング、自己認識のクラフティングの3つです。
転職しないとライフクラフティングはできませんか?
いいえ。今の環境の中で何ができるかを考える点が特徴です。転職や引っ越しをしなくても、日々の小さな工夫で人生の質を高められます。
何から始めればよいですか?
まずは「3つのよかったこと日記」やライフ・マップなど、一つのワークを1週間続けることから始めましょう。小さな変化の積み重ねが大切です。
自分の強みがわかりません。どうすればよいですか?
うまくいった経験や夢中になれたことを振り返る、周りの人に聞く、強みの診断を使う、といった方法があります。強みは「使うとエネルギーがわくこと」です。
一人でもできますか?
一人でも実践できますが、コーチやカウンセラーに話を聴いてもらうと、より深い気づきが得られることがあります。
協会の講座でライフクラフティングを学べますか?
ポジティブ心理カウンセラー基本講座で、PERMAや強みなどライフクラフティングの土台となる考え方と、それを支える対話を学べます。
講座はオンラインで受けられますか?
はい。Zoomを使ったオンライン講座が中心です。ペアやグループでの対話練習を通して、実践できる力を身につけます。
団体研修や法人研修にも対応していますか?
はい。ジョブ・クラフティングや働きがい、エンゲージメントなどのテーマで、管理職研修や社員研修を実施しています。

読んで終わりにせず、「できる」に変えてみませんか。
対話と体験で学ぶ、ポジティブ心理学のカウンセリング講座です。

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ポジティブ心理学を活用したライフクラフティングとは?

〜自分らしく、幸せな人生を「デザイン」する方法〜

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「なんとなく毎日が充実していない気がする」「もっと自分らしく生きたいけど、どこから始めればいいかわからない」——そんな気持ちを抱えていませんか?

実は、その悩みを解決するヒントが「ライフクラフティング」にあります。ポジティブ心理学の知見を土台にしたこのアプローチは、仕事・人間関係・余暇のあり方を主体的に見直し、「自分だけの幸せな人生」を自らデザインしていく実践的な方法論です。

この記事では、ライフクラフティングとは何か、どのように実践するのか、そして科学的な根拠も交えながら、わかりやすく解説します。読み終えたとき、「さっそく今日から試してみよう!」と感じていただければ幸いです。

 

この記事でわかること

  • ライフクラフティングの意味と背景
  • ポジティブ心理学との深い関係
  • 3つの領域(仕事・人間関係・自己認識)での実践法
  • 今日からできる具体的なワーク5選
  • ライフクラフティングがもたらす科学的効果

 

1. ライフクラフティングとは何か?

ライフクラフティング(Life Crafting)とは、自分の人生を受け身で生きるのではなく、「意図的に形作っていく」という考え方です。

「クラフト(Craft)」には「職人が丁寧に作り上げる」というニュアンスがあります。まさに、あなた自身が人生の職人として、毎日をデザインするイメージです。

この概念はオランダの研究者であるIda Vinitulooらが2020年代に体系化しました。もともと仕事の文脈で使われていた「ジョブ・クラフティング」(仕事の意味や方法を自ら工夫すること)の考え方を、人生全体に拡張したものです。

ライフクラフティングの特徴は、「現状を嘆く」のではなく「今の環境の中で何ができるか」を考える点にあります。転職しなくても、引っ越さなくても、今いる場所で人生の質を高められる——それがライフクラフティングの大きな魅力です。

 

ジョブ・クラフティングとの違い

ジョブ・クラフティングが「仕事」に特化しているのに対し、ライフクラフティングは生活全体を対象とします。仕事だけでなく、家族との関わり方、趣味・余暇の使い方、自分自身の価値観や強みの活かし方まで、人生のあらゆる側面をリデザインしていきます。

 

2. ポジティブ心理学との関係

ライフクラフティングは、ポジティブ心理学の知見を深く取り入れています。ポジティブ心理学とは、1998年にアメリカの心理学者マーティン・セリグマンが提唱した、「何が人間を幸せにするか」を科学的に研究する学問分野です。

従来の心理学が「病気や問題をいかに治すか」に注目していたのに対し、ポジティブ心理学は「普通の人がどうすればより幸福に生きられるか」を探究します。

 

PERMAモデルとライフクラフティング

セリグマンが提唱する「PERMA」は、ウェルビーイング(幸福感)を構成する5つの要素の頭文字をとったモデルです。ライフクラフティングは、まさにこのPERMAを人生全体で実現することを目指します。

要素 意味 ライフクラフティングでの実践例
P(Positive Emotions) ポジティブな感情 感謝日記や、好きなことを意識的に増やす
E(Engagement) 没頭・エンゲージメント 強みを活かせる活動を仕事や趣味に組み込む
R(Relationships) 良好な人間関係 意味のあるつながりを意図的に育てる
M(Meaning) 意味・目的感 自分の価値観と行動を一致させる
A(Accomplishment) 達成感 小さな目標設定と達成を積み重ねる

 

PERMAのすべてをバランスよく育てることが、充実した人生への近道。ライフクラフティングはその具体的な「地図」と「コンパス」を提供してくれます。

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3. ライフクラフティングの3つの領域

ライフクラフティングは主に3つの領域でアプローチします。それぞれについて、具体的な考え方と実践例を見ていきましょう。

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① 仕事のクラフティング

仕事の領域では、タスクの取り組み方、同僚や上司との関わり方、そして仕事の「意味」の認識を変えることにフォーカスします。

「この仕事が誰かの役に立っている」という意味を見出せると、同じ業務でも充実感がまったく変わります。

具体的には、以下のような工夫が有効です:

  • 自分の得意なスキルを活かせる仕事の割合を増やす(タスク・クラフティング)
  • 職場の人との雑談や感謝を意識的に増やす(リレーション・クラフティング)
  • 「この仕事はなぜ社会に必要か」を言語化する(コグニティブ・クラフティング)

 

② 人間関係のクラフティング

人間関係は幸福度に最も大きく影響する要因の一つです。WHO(世界保健機関)の研究でも、良好な社会的つながりは健康寿命と強く相関することが示されています。

ライフクラフティングでは、人間関係を「なんとなく成り行きに任せる」のではなく、意図的に育てることを重視します。

  • 自分にとって大切な人に定期的に連絡を取る習慣をつくる
  • 「感謝を伝える」機会を意識的に増やす
  • エネルギーを奪う関係は適度に距離をおく(罪悪感を持たなくてOK)
  • 新しいコミュニティや趣味サークルに参加する

 

③ 自己認識のクラフティング

「自分はどんな人間か」「何を大切にしているか」という自己認識を明確にすることが、ライフクラフティングの土台です。

ポジティブ心理学では「強み(VIA強み)」の活用が特に重視されます。自分の強みを知り、日常生活の中で意識的に活用することで、幸福感が高まることが多くの研究で示されています。

強みとは「才能があること」ではなく、「使うとエネルギーが湧いてくること・自然と没頭できること」。誰にでも必ず強みがあります。

 

4. 今日からできる!ライフクラフティング実践ワーク5選

理論はわかった、でも「実際にどうすればいいの?」という声に応えるべく、すぐに始められる5つのワークをご紹介します。

 

ワーク1:ライフ・マップを描く

まず白紙に、自分の人生の主要な領域(仕事・家族・健康・趣味・学習・社会貢献など)を書き出します。それぞれに現在の満足度を10点満点でスコアリングし、「理想の状態」と「現在の状態」のギャップを可視化しましょう。

ポイントは比較するのが「他人」ではなく「理想の自分」であること。ここで初めて「どこをクラフトすべきか」が見えてきます。

 

ワーク2:強み発見ワーク

VIA強み診断(無料でオンライン受験可能)を受け、自分のトップ5の強みを把握します。次に「今週、その強みをどこで使ったか?」を振り返るだけで、日常の見方が変わります。

たとえば「親切心」が強みなら、職場でのちょっとした助けが「単なる雑用」ではなく「強みの発揮」として感じられるようになります。

 

ワーク3:3つのよかったこと日記

毎晩寝る前に、「今日よかったこと3つ」を書き留めます。内容は小さなことで十分——「美味しいコーヒーが飲めた」「電車が時間通りに来た」でもOK。

セリグマンの研究では、このワークを1週間続けるだけで幸福感が向上し、その効果は6ヶ月後にも持続することが示されています。シンプルですが、科学的に実証された最強のワークの一つです。

 

ワーク4:「意味の問いかけ」ワーク

日常のルーティンに対して「なぜこれをしているのか?」「これは誰の役に立っているか?」と問いかけます。

たとえば「毎日の通勤が億劫」と感じているなら——「なぜ仕事に行くのか?→家族を養うため→家族との時間が自分の喜びの源泉」というように、意味の連鎖を辿ることで、小さな日常行動に大きな意味が宿ります。

 

ワーク5:人間関係の「感謝リスト」

自分の人生に影響を与えてくれた人を5〜10人リストアップし、感謝の気持ちを書き出します。できればその中の1人に、実際に感謝を伝える「感謝の手紙」を書いて送ってみましょう。

研究によると、感謝の手紙を書いて届けることは、書いた本人の幸福感を最も強く高める介入の一つとして知られています。

 

5. ライフクラフティングの科学的効果

「なんとなく良さそう」ではなく、ライフクラフティングは科学的なエビデンスに基づいています。

 

主な研究成果

  • バーンアウト(燃え尽き症候群)リスクの低下:仕事のクラフティングを実践した社員は、6ヶ月後のバーンアウトスコアが有意に低かったという研究結果がある(Journal of Occupational Health Psychology)
  • エンゲージメントの向上:ジョブ・クラフティングと仕事への意欲(ワーク・エンゲージメント)には強い正の相関がある
  • 生活満足度の上昇:ライフクラフティング介入を受けたグループは、3ヶ月後に生活満足度・自己効力感・目的意識が有意に向上した(Vinitulooら, 2021)
  • うつ症状の軽減:強みを活用した介入がうつの症状を軽減することがメタ分析でも示されている

 

ライフクラフティングは「気持ちの問題」ではなく、きちんと効果が測定・実証されたアプローチです。だからこそ、試す価値があります。

 

6. ライフクラフティングを始める前に知っておきたいこと

最後に、ライフクラフティングを実践するうえでの注意点をいくつかご紹介します。

 

人生は比較しなくてもOK. 自分らしいウェルビーイング・幸福を見つける工夫

ライフクラフティングは「他人と比べて成功する」ものではありません。SNSで目にする華やかな生き方に憧れることもあるかもしれませんが、大切なのは「自分にとっての充実」を見つけること。

あなたの幸せの定義は、あなただけのものです。

 

小さく始めることが成功の鍵

いきなり「仕事も人間関係も全部変えよう!」と意気込む必要はありません。まずは一つのワークを1週間続けることから始めましょう。小さな変化が積み重なることで、6ヶ月後・1年後には見違えるほど人生が変わっていきます。

 

専門家のサポートも活用する

ライフクラフティングは自分一人でも実践できますが、コーチングやカウンセリングを活用することでより深い気づきが得られることがあります。ポジティブ心理学を専門とするコーチに相談するのも一つの選択肢です。

 

まとめ:人生の「職人」になろう

ライフクラフティングは、「人生は変えられない」という思い込みを手放し、今いる場所で自分らしく幸せを追求するための実践的な方法論です。

ポジティブ心理学が明らかにした「人を幸せにする要因」を活用しながら、仕事・人間関係・自己認識という3つの領域を意図的にデザインしていくこと——それがライフクラフティングの本質です。

あなたは今日から、自分の人生の職人になれます。まずは「3つのよかったこと日記」から始めてみませんか?

 

今すぐできるチェックリスト:

  • 自分の強みトップ3を書き出してみた
  • 今日よかったことを3つ思い浮かべた
  • 最近感謝を伝えていない人を思い浮かべた
  • 仕事で「意味」を感じる瞬間を1つ見つけた
  • ライフ・マップを描いてみた

 

 

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投稿者プロフィール

一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会事務局
一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会事務局一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会
逆境や困難の中でも「希望」と「可能性」を見出し、自分らしく前向きに生きる人を育む、肯定的な心理学の専門機関。

公式ページ
https://www.positive-counselor.org/

イベント
https://www.positive-counselor.org/event/

協会概要
2013年に任意団体として設立され、2018年に一般社団法人化。ポジティブ心理学、コーチング心理学などを基盤に、個人や組織の成長、ウェルビーイング(幸福)の向上を目指す非営利団体です。諸外国の最先端の研究を取り入れつつ、日本人らしい「謙遜さ」や「誠実さ」といった価値観も尊重した、日本人に合ったプログラムを提供しています。

ミッションとビジョン
ミッション: 肯定的な心理学を活用した対人支援、社会支援、セルフケア、自己成長の普及。

ビジョン: 精神的な困難を未然に防ぎ、問題が生じても前向きに行動できる人材、そして周囲を「勇気づけ」できる人材を育成することで、より希望に満ちた社会を創造する。

実践的なワークショップ:

カードゲームや心理テストなど、体験・実践を重視した形式で、楽しく学べる場を提供。

「強み(ストレングス)」「レジリエンス(逆境力)」など、具体的なテーマに基づいた講座を多数開催。

学校、企業、福祉・看護など、様々な現場のニーズに合わせた研修プログラムを企画・開発・提供。

出版・普及活動、外部機関講演実績

特徴
実践重視のプログラム: 理論だけでなく、カードゲームなどを活用した体験型ワークショップが多く、すぐに実践できるスキルが身につくと評判です。

多様な心理学の統合: ポジティブ心理学を中心に、コーチング心理学やアドラー心理学、認知行動療法など、幅広い理論を統合した多角的なアプローチを学べます。

受講者の声(評判)
口コミでは、「実践的なワークが多く、思考が前向きに変わった」「日常生活にすぐ役立てられた」といった肯定的な評価が多数寄せられており、受講者の満足度は非常に高いです。特に、初心者でも学びやすい内容と、学習を通じて得られるポジティブな影響が好評を得ています。

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