ポジティブ・アート・インクワイアリー(Art Inquiry)とポジティブ心理学、ウェルビーイング、ポジティブ心理療法の活用について 認定資格取得の参考に


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ポジティブ・アート・インクワイアリー(Positive Art Inquiry)とポジティブ心理学、ウェルビーイング、ポジティブ心理療法の活用について

当協会では、カードゲームを活用したカウンセリングなどで実施したりしています。主に関連する講座は以下です。

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このページでは、「アート・インクワイアリー(Art Inquiry)」をポジティブ心理学、ウェルビーイング、ポジティブ心理療法の視点から整理した解説です。

 

🎨 アート・インクワイアリー × ポジティブ心理学・ポジティブ心理療法


🔎 アート・インクワイアリーとは?

アート・インクワイアリー(Art Inquiry)とは、
アート(絵・写真・言葉・物語など)を媒介にして
クライアント自身の感情・価値観・強み・希望
にアクセスする探究的な対話法です。

言葉にならない心の深層を「見る」ことで、
自分の中の可能性に気づく ― それがアート・インクワイアリーの力。


🧭 1. アート・インクワイアリーとは?

アート(絵・言葉・写真・物語など)を媒介にして、
**言葉になりにくい心の深層を「見て」「感じて」「語る」**探究的な対話法。

心理的安全性の高い空間で、自己理解・他者理解・可能性の発見を促進します。

🎯 アート・インクワイアリーの効果(ポジティブ心理学的観点)

項目 効果
💬 言語化しにくい感情へのアクセス 「感じる→見る→言葉にする」プロセスが可能に
💎 自己の強みと価値観の発見 無意識的な選択が、自己理解とつながる
🧭 意味と方向性の再発見 問題の整理だけでなく、「生きる意味」への問いを促す
🪞 自己受容とセルフ・コンパッション アートに自分を映すことで、否定せずに自己を見つめやすくなる
🌱 小さな希望の再構築 絶望の中にも「何かを感じとれる自分」がいることに気づく

💬 代表的な質問(ポジティブ心理学ベース)

  • 「この絵から、どんな“強さ”や“しなやかさ”を感じますか?」
  • 「このアートが、“これまでのあなた”と“これからのあなた”をつなぐとしたら?」
  • 「選んだ絵に、あなたの“人生で大切にしているもの”が表れているとしたら?」

🌈 2. ポジティブ心理学の視点 × アート・インクワイアリーの統合

以下は、ポジティブ心理学の代表的な「PERMAモデル」と「強み」の視点に対応した質問法です。

領域 アート・インクワイアリーの概要 質問例
😊 感情(Positive Emotion) アートを通じて、安心・喜び・懐かしさなどのポジティブ感情が引き出される 「この作品から、どんな“あたたかさ”や“優しさ”を感じますか?」
🤝 関係性(Relationships) アートは他者とのつながりや想起を引き出す媒介となる 「この絵を見て思い出す“誰か”はいますか?」「この作品が象徴する“支え”は何ですか?」
🧭 意味(Meaning) アートは「私の人生にとっての意味」「今この瞬間の意味」を考えるきっかけに 「この作品が、あなたに“生きる意味”を伝えているとしたら?」「この絵が“あなたらしさ”を語っているとしたら、何を伝えていますか?」
🏆 達成(Accomplishment) 過去の努力や達成感が絵の中に表れていることに気づける 「このアートが語っている、あなたの乗り越えてきたことは何ですか?」「これを見て、どんな“自分の成長”を思い出しますか?」
🔥 エンゲージメント(Engagement) アートに“没頭”する体験そのものが、エンゲージメントを育む 「この絵を見ていると、どんな感覚に包まれますか?」「“時間を忘れるような瞬間”を、思い出しましたか?」
💎 強み(Strengths) 選んだアートは、クライアントの価値観・強み・レジリエンスを映し出す鏡 「この作品に映っている“あなたの力”は何だと思いますか?」「ここに描かれている“支え”や“誇り”はどこにありますか?」

 

精神的ウェルビーイングの視点におけるリフ(Ryff)とアート・インクワイアリー法


リフの6つの要素に基づくアート・インクワイアリーの質問を整理しました。

心理的ウェルビーイングの要素 アート・インクワイアリーの質問
自己受容(Self-Acceptance) 作品を通じて、自分の個性や強みをどのように受け入れられるか? アートが自己肯定感に与える影響は?
ポジティブな人間関係(Positive Relations) 作品を他者と共有することで、どのようなつながりが生まれるか? アートを通じて対話や共感が深まる瞬間は?
自律性(Autonomy) 自分が作品を評価するとき、他者の意見に流されずに考えられるか? アートを通じて自分の価値観をどのように明確にできるか?
環境の掌握(Environmental Mastery) 作品を制作・鑑賞することで、自分の環境との関係性はどう変化するか? アートを活用して自分の生活をより豊かにする方法は?
人生の目的(Purpose in Life) 作品のテーマから、自分にとって大切な価値観や人生の目的をどう見つけられるか? どのようなアートが自分の人生観を深めるか?
個人的成長(Personal Growth) 作品を通じて、自分が成長したと感じる瞬間は? アート活動によってどのような自己変革を経験できるか?

この枠組みを活用することで、アートを通じた探求がさらに深まり、心理的ウェルビーイングの向上に寄与するかもしれません。

 


🧠 ポジティブ心理療法(PPT)との親和性

ポジティブ心理療法(PPT: Positive Psychotherapy)は、
「苦悩だけでなく、**資源(リソース)**に目を向けるアプローチ」です。

PPTの要素 アート・インクワイアリーでの実践例
🌿 資源の活用 「この絵に現れている、あなたの“強み”とは?」→ポジティブな自己理解を促す
💞 バランス志向 「今、このアートに表れている“感情のバランス”は?」→肯定・否定の両側面を受容
🌠 希望と未来志向 「この絵が、未来のあなたからのメッセージだとしたら?」→ポジティブな目標形成へ

 

ポジティブ心理学を活かしたアート活動を表でまとめました。

活動名 目的 方法
感謝のアートジャーナル 感謝の気持ちを視覚化し、ポジティブな感情を強化する。 毎日、感謝していることを絵やコラージュ、詩などで表現する。色や形を使い、その日の感謝の気持ちを象徴する作品を作る。ジャーナルを振り返り、ポジティブな感情を再認識する。
ビジョンボード作成 目標や夢を明確にし、達成へのモチベーションを高める。 雑誌の切り抜きや写真、イラストを使って、理想の未来を表現する。目標ごとに色やテーマを決め、視覚的に整理する。定期的に見返し、進捗を確認しながらモチベーションを維持する。
感情の色彩マップ 自分の感情を視覚的に整理し、自己理解を深める。 色を使って現在の感情を表現する(例:青=落ち着き、赤=情熱)。感情の変化を記録し、どの状況でどの色が現れるかを分析する。感情のパターンを理解し、より良い感情調整の方法を見つける。
フロー体験のアート 創作活動に没頭し、フロー状態を体験する。 自分が最も夢中になれるアート活動を見つける(絵画、彫刻、音楽など)。時間を忘れるほど集中できる環境を整える。完成を急がず、プロセスを楽しむことを意識する。
強みを描く 自分の強みを視覚化し、活用方法を考える。 自分の強みを象徴するイメージを描く(例:忍耐力=山、創造性=光)。その強みをどのように活かせるかを考え、具体的な行動計画を立てる。他者と共有し、フィードバックをもらうことで新たな視点を得る。

この表を参考に、ポジティブ心理学の理論をアート活動に応用し、自分の成長や幸福感の向上に役立てることができます。


🎨 Positive Psychology Arts Activities

創造的活動 × ポジティブ心理学 × セラピー・教育実践

 

『Positive Psychology Arts Activities: Creative Tools for Therapeutic Practice and Supervision』

著者:Olena Darewych
「アートは、ポジティブな感情を育み、自己理解を深めるための強力な方法である。」
オレナ・ダレウィッチ

🔍 内容概要

  • 「フロー」「キャラクター強み」「目標設定」「自己理解」「意味づけ」「ポジティブ感情」など、ポジティブ心理学の主要概念をアート活動を通して体験的に学ぶ内容です(goodreads.com)。
  • 各章は、①理論的背景、②具体的なアート実践ワーク、③臨床・指導場面での活用事例、④セッション後の問いかけガイド、⑤家庭での継続的な活用案、という構成になっています。

🗂 収録内容の目次抜粋

  • 第1章 創造性(Creativity):シンボリックな連想、即興描画など
  • 第2章 フロー(Flow):カラー選び・マンダラ制作・フリースクライブ
  • 第3章 ポジティブ感情:感謝カード、ポジティビティ・パレットなど
  • 第4章 強み:ストレングス・コラージュ、ツリー・オブ・ライフ
  • 第5章 自己認識:ビジュアルアファメーション、ベスト・ポシブル・セルフ
  • 第6章 目標設定:未来への橋描画、タイムカプセル
  • 第7章 意味づけ:意味の源ワーク、ラビリンス散歩
  • 第8章 スピリチュアリティ関連:祈りの旗、自然との結びつき
  • 第9章 全体的なウェルビーイング:自然造形、つながりの島(Island of Connectivity)(ebay.com, researchgate.net)

👥 誰におすすめか?

  • アートセラピーやコーチングに関わる実践者
  • ポジティブ心理学的セッションの新たな手法を探求する支援者
  • 学習者や教育者の「自己洞察+成長」の促進プログラム設計者

 

1. 創造性(Creativity)

内容 解説
シンボリックな連想 抽象画やイメージを使い、「今の自分」や「未来の自分」を象徴的に表現する
即興描画(インプロドローイング) 制限時間やルールなしで自由に線を引くことで、潜在意識の流れを可視化する
✏️ 目的: 自己表現への許可、完璧主義からの解放、創造的自己との再接続

2. フロー(Flow)

内容 解説
カラー選び 感情やテーマに応じて色を直感で選び、配色によって心の状態を可視化
マンダラ制作 繰り返しのパターンと集中を通して、没入感・静けさを体験する
フリースクライブ(自由書き) 思考を止めずに手を動かすことで、内面の声や直観を引き出す
✏️ 目的: 時間感覚を忘れるような“没頭”状態を生み出し、自己調整を促進

3. ポジティブ感情(Positive Emotions)

内容 解説
感謝カード 誰かに感謝のメッセージをアートで描いて贈る(または自分宛に描く)
ポジティビティ・パレット 色・形・象徴で「喜び・希望・愛」などの感情を可視化し再体験する
✏️ 目的: ポジティブな記憶・関係性・価値観に意識を向け、リソースを強化する

4. 強み(Strengths)

内容 解説
ストレングス・コラージュ 自分の強み(VIAなど)に関連する画像や言葉を集めてコラージュにする
ツリー・オブ・ライフ 自分のルーツ、学び、強み、希望などを木に見立てて表現
✏️ 目的: 自己肯定感とエフィカシー(自己効力感)を育てる

5. 自己認識(Self-Awareness)

内容 解説
ビジュアルアファメーション 肯定的な自己メッセージを視覚的に制作し、日常的に目にする習慣をつくる
ベスト・ポシブル・セルフ 理想の未来の自分をアートで描き、そこへ向かう力を再認識する
✏️ 目的: 自己理解の深化と、肯定的なセルフイメージの構築

6. 目標設定(Goal Setting)

内容 解説
未来への橋(Bridge to the Future) 「今の自分」から「理想の未来」への道を橋で象徴的に描く
タイムカプセル 将来の自分宛にビジュアルや言葉でメッセージを描き、封印する
✏️ 目的: 動機づけ・希望・長期的視点を育む

7. 意味づけ(Meaning)

内容 解説
意味の源(Source of Meaning) 自分にとっての「意味の根源」を象徴で描く(人・経験・価値観など)
ラビリンス散歩(Labyrinth Walk) 曲線的な迷路模様に色をつけながら「人生の歩み」を可視化する
✏️ 目的: 苦難の経験や現在の生き方に意味を見出す再構成的作業

8. スピリチュアリティ(Spirituality)

内容 解説
祈りの旗(Prayer Flags) 感謝・願い・祝福の言葉を絵とともに描き、空間に掲げる
自然との結びつき 自然素材(葉・枝・石など)で作品を制作し、“つながり”を感じる
✏️ 目的: 超個人的な力や自然との一体感に気づく/トランスパーソナルな視点

9. 全体的なウェルビーイング(Whole-Person Well-being)

内容 解説
自然造形 自然界の形状や色彩にインスパイアされてアートを制作(例:風景・季節)
つながりの島(Island of Connectivity) 自分のリソースや人間関係を島に象徴させ、そこに配置して描く
✏️ 目的: 自己・他者・自然とのつながりを視覚化し、ホリスティックな幸福感を育む

🧰 まとめ:活用のための視点

  • すべての活動が「気づき・意味・感情」に結びつくよう設計されている
  • 個人・グループ・教育・カウンセリング・コーチングに応用可能
  • 活動後の「言語的振り返り」や「未来への転用」が重要なステップ

 


アート・インクワイアリー法に基づく視点と質問を表にまとめました。各項目がアート活動を通じてどのように探求できるかを示しています。

項目 概要 アート・インクワイアリーの質問
感謝(Gratitude) 感謝の気持ちを可視化することで、ポジティブな感情を強化する。 「感謝を表す色や形は何か?」 「アートを通じて感謝の気持ちをどう表現できるか?」
自己慈愛(Self-Compassion) 自己受容を深め、優しさをもって自分と向き合う。 「自分を癒すアート作品を作るとしたら、どのようなものになるか?」 「作品に込めた優しさを感じる瞬間は?」
自己効力感(Self-Efficacy) 創造的な活動を通じて、自分の能力を信じる力を高める。 「作品を完成させることでどんな達成感を感じるか?」 「自分の強みを活かしたアート表現は?」
人生の意味(Meaning in Life) アートを通じて人生の目的や価値観を深く探求する。 「この作品のテーマは何か?」 「アートを通じて自分の価値観をどう見出せるか?」
自律性(Autonomy) 自分の考えを自由に表現し、自己決定を促す。 「他者の評価を気にせず、自分が描きたいものを描くなら?」 「作品を通じて自分の信念を表現するには?」
ポジティブな感情(Positive Emotions) アートによって喜びや希望を引き出す。 「作品を見たときに感じる喜びの要素は?」 「ポジティブな感情を引き出す色や形は?」
レジリエンス(Resilience) 創作活動を通じて困難を乗り越える力を育む。 「アートが困難な時期を乗り越える手助けになるとしたら?」 「過去の挑戦を振り返り、それを表現するには?」
楽観性(Optimism) 未来への希望を創造的に表現する。 「未来のポジティブなビジョンを作品にするなら?」 「希望を象徴するイメージとは?」
フロー体験(Flow Experience) 創作活動に没入し、フロー状態を体験する。 「時間を忘れて夢中になれるアート活動は?」 「フローを感じる瞬間をどう表現するか?」
ウェルビーイング全体(Overall Well-Being) アートを通じて心身の健康と幸福感を向上させる。 「アートが自分の幸福感にどのように貢献しているか?」 「創作活動を通じて、自分が最も生き生きする瞬間は?」

この表を活用することで、アートを通じてポジティブ心理学の要素を深く探求することができます。


 

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