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ポジティブ心理学の歴史と物語一般社団法人ポジティブ心理カウンセラー協会
HISTORY & NARRATIVE — ARTICLE

VIA・24の強みとは

「人間の良さ」を語る、共通言語のつくられ方
ONE-SENTENCE ANSWER

VIA(Values in Action)・24の強みとは、ピーターソンとセリグマンが2004年に体系化した「人格の強み(Character Strengths)」の分類で、好奇心・勇敢さ・親切心など24の強みを、知恵・勇気・人間性・正義・節制・超越性の6つの美徳領域に整理したものです。無料の診断(VIA-IS)で自分の上位の強み(特徴的強み)を知り、日常で新しい形で使うことが、幸福感を高め抑うつを下げる代表的なポジティブ介入として研究されています。

「あなたの強みは何ですか?」と聞かれて答えに詰まるのは、強みの語彙を持っていないからです。VIAは、その語彙を人類に与えたプロジェクトでした。

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「逆DSM」——弱さの分類学に対する、強さの分類学

心理学・精神医学には、精神疾患の分類体系(DSM)があります。何がどう「うまくいっていないか」を語る共通言語です。しかし2000年代初頭まで、「何がどううまくいっているか」を語る共通言語はありませんでした。

そこでクリストファー・ピーターソンとセリグマン(関連記事「セリグマンとは」)は、多数の研究者とともに、時代と文化を越えて価値をもつ人格の強みの分類に挑みます。世界の哲学・宗教・伝統(アリストテレスから儒教、武士道まで)を渉猟し、複数の基準——それ自体が価値をもつこと、安定して現れること、測定できることなど——で絞り込んだ成果が、2004年の大著『Character Strengths and Virtues』です。しばしば「逆DSM(un-DSM)」と呼ばれます。

VIAの本質は診断ツールではなく「人間の良さを語る共通言語」の整備。弱さにしか語彙がなかった心理学への、構造的な処方箋だった。

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6つの美徳と24の強み

美徳領域含まれる強み
知恵と知識創造性/好奇心/知的柔軟性(判断力)/向学心/大局観
勇気勇敢さ/忍耐力/誠実さ/熱意
人間性愛情/親切心/社会的知能
正義チームワーク/公平さ/リーダーシップ
節制寛容さ(許し)/慎み深さ/思慮深さ/自律心
超越性審美眼/感謝/希望/ユーモア/スピリチュアリティ

24の強みは誰の中にもすべて存在し、その強弱のプロフィールが一人ひとりの個性です。診断(VIA-IS)で上位に現れる強みは特徴的強み(シグネチャーストレングス)と呼ばれ、使うと活力が湧き、「これが本当の自分だ」という感覚を伴うのが特徴です。診断は世界中で翻訳され、無料で受けられます。

VIAは「持っている/いない」の診断ではなく、全員が24を持つ前提での「濃淡の地図」。順位よりも、上位の強みをどう使うかが本題である。

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強みは「知る」より「使う」——研究が示すこと

代表的な研究として、セリグマンらが2005年に発表したランダム化比較試験では、「特徴的強みを毎日、新しい形で使う」という1週間の課題が、半年後まで続く幸福感の上昇と抑うつの低下に結びつきました。その後の研究でも、強みの「保有」よりも「活用」がウェルビーイングや仕事のエンゲージメントと関連することが繰り返し示されています。

一方で、注意点も研究されています。強みは使いすぎ(オーバーユース)でも裏目に出ます。好奇心の使いすぎは散漫に、親切心の使いすぎは自己犠牲に。状況に応じた「ほどよい使用」——黄金の中庸——が実践の鍵です。また、日本では謙遜の文化から自分の強みを語ることに抵抗を感じる人が多いため、診断結果を押しつけず、本人の経験の中から強みが働いた場面を一緒に見つける関わりが適しています。

効くのは「強みの活用」、こじれるのは「強みの過剰」。強みは性格のラベルではなく、量を調節して使う技能である。

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カウンセリング・現場での使い方

ポジティブ心理カウンセリングでは、VIAを次のように使います。うまくいった経験を聴きながら「そのときどの強みが働いていましたか」と問い、本人の言葉で強みを命名し直す。問題場面では「その強みを、この状況で使うとしたら?」と転用を探る。教育では生徒の、職場では部下の強みを見つけて伝える——強みのフィードバックは、それ自体が関係性を変える介入になります。

「他者は大切である(Other people matter)」——VIAをつくったピーターソンがその研究人生を要約した言葉です。強みの語彙は、自分を知るためだけでなく、他者の良さを見つけて伝えるためにある。それがVIAの一番の使い道かもしれません。歴史的な位置づけは特集「ポジティブ心理学の歴史と物語」をご覧ください。

FAQ

「VIA・24の強み」よくある質問

VIA・24の強みとは何ですか?

ピーターソンとセリグマンが2004年に体系化した人格の強みの分類です。24の強みを知恵・勇気・人間性・正義・節制・超越性の6つの美徳領域に整理しています。

VIAは誰が作りましたか?

クリストファー・ピーターソンとマーティン・セリグマンが中心となり、多数の研究者と共同で開発しました。成果は2004年の『Character Strengths and Virtues』にまとめられています。

VIAの診断は無料で受けられますか?

はい。VIA研究所が提供する診断(VIA-IS)は登録すれば無料で受けられ、日本語を含む多言語に翻訳されています。上位の強み(特徴的強み)のプロフィールがわかります。

特徴的強み(シグネチャーストレングス)とは何ですか?

診断で上位に現れる、その人らしさの中核となる強みです。使うと活力が湧き、「本当の自分だ」という感覚を伴うのが特徴で、一般に上位5つ程度を指します。

強み診断は性格診断と何が違いますか?

性格特性(外向性など)は良し悪しを含まない記述ですが、VIAの強みは「それ自体が価値をもつ良さ」に焦点を当てた分類です。また全員が24すべてを持つ前提で、濃淡のプロフィールを見ます。

強みを使うと幸福度が上がるというのは本当ですか?

特徴的強みを新しい形で使う介入が、半年後まで続く幸福感の上昇と抑うつの低下に結びついたランダム化比較試験(2005年)があり、その後も強みの活用とウェルビーイングの関連が報告されています。ただし効果の大きさは研究により幅があります。

強みに悪い面はありますか?

あります。強みは使いすぎると裏目に出ます(好奇心→散漫、親切心→自己犠牲など)。状況に応じてほどよく使う調節が実践の鍵とされています。

日本人には強みの活用は向かないのでは?

謙遜の文化から自分の強みを語りにくい傾向はありますが、だからこそ経験の中から強みが働いた場面を一緒に見つける対話型の活用が適しています。強みを否定する文化ではなく、語り方が違う文化と考えられます。

VIAとストレングスファインダー(クリフトンストレングス)の違いは?

VIAは人格の強み(良さ・美徳)の学術的分類で無料診断があるのに対し、クリフトンストレングスは才能テーマに焦点を当てた民間の有料アセスメントです。目的に応じて使い分けられます。

強みを支援に活かす方法を体系的に学ぶには?

当協会の認定ストレングスカウンセラー®養成講座などで、強みの発見・フィードバック・活用支援を対話の技術として学べます。

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誰かの強みを見つける人へ。

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